H24.2.19(日)に実施された第101回看護師国家試験
厚生労働省ホームページ(第95回助産師国家試験、第98回保健師国家試験、第101回看護師国家試験の問題および正答について)を参考に編集・作成
看護師国家試験 第101回の午後61~70
61)介護保険制度の開始後、認定者数の増加が最も著しいのはどれか
①要支援(2006年度からは要支援1と要支援2)
②要介護2
③要介護4
④要介護5
①
62)加齢によるホルモンの基礎分泌量の変化で正しいのはどれか
①メラトニンは増加する
②コルチゾルは変化しない
③成長ホルモンは変化しない
④副甲状腺ホルモンは減少する
②
63)高齢者の疾患の特徴として正しいのはどれか
①ADLへの影響は少ない
②症状の出現は定型的である
③環境からの影響を受けにくい
④複数の臓器に障害が生じやすい
④
64)Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか
①運動強度の軽減
②家事動作練習の追加
③翌日の理学療法の中止
④病棟での歩行回数の増加
①
65)Mini-MentaℓStateExamination〈MMSE〉の説明で正しいのはどれか
①情緒状態を調べる
②確定診断に用いられる
③得点が低いほど機能が低い
④被検者の日常の行動を評価する
③
66)高齢者に多くみられる疾患とその症状および所見の組合せで正しいのはどれか
①頸椎症—頸部腫脹
②白内障—視野欠損
③萎縮性腟炎—子宮脱出
④胃食道逆流症—胸やけ
④
67)介護保険におけるサービスの説明で正しいのはどれか
①通所介護では機能訓練を行うことができない
②通所介護を行う事業所には医師の配置が必須である
③通所リハビリテーションでは個別の理学療法が提供される
④通所リハビリテーションの利用に介護保険は適用されない
③
68)子どもの成長・発達における臨界期について正しいのはどれか
①諸機能の獲得・成熟を決定づける時期
②遺伝的因子による影響が発現しやすい時期
③成長・発達のスピードが緩やかになる時期
④発達検査において通過率が90%となる時期
①
69)2歳6か月の幼児で正常な発達と判断されるのはどれか
①前後上下の空間認識ができる
②手掌全体で2cm角の積み木をつかむ
③2~3か月前から二語文を話している
④半年前から手を引かなくても歩けるようになった
③
70)Aちゃん(4歳)は、風邪で小児科外来を受診した診察を待っている間、母親から看護師に「昼間は自分でトイレに行けるようになったのに、まだおねしょをするのですが大丈夫でしょうか」と相談があった。看護師の対応で適切なのはどれか
①「今は心配ないのでもう少し様子をみましょう」
②「夜中に1度起こしておしっこを促してください」
③「2時間おきにトイレに行く習慣をつけましょう」
④「小児専門の泌尿器科を受診した方がよいでしょう」
①
看護師国家試験 第101回の午後71~80
71)乳児が成人に比べ脱水になりやすい理由で正しいのはどれか
①尿細管での水の再吸収能力が低い
②体重当たりの基礎代謝量が少ない
③体重に占める体水分量の割合が低い
④体液における細胞内液の割合が高い
①
72)女性の生殖機能について正しいのはどれか
①子宮内膜は排卵後に増殖期となる
②黄体期の基礎体温は低温期となる
③エストロゲンは卵巣から分泌される
④排卵された卵子の受精能は約72時間である
③
73)妊娠38週の妊婦胎位は第2頭位である胎児心音の聴取部位を図に示す。最も適切な聴取部位はどれか

①1
②2
③3
④4
④
74)適時破水はどれか
①分娩開始以前に卵膜が破綻(はたん)したもの
②分娩開始直後に破水するもの
③子宮口5cm開大のころに破水するもの
④子宮口全開大のころに破水するもの
④
75)Aちゃんは、在胎32週、体重1,800gで出生した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。出生後30分、体温36.7℃、心拍数150/分、呼吸数70/分である保育器に収容されている。出生から24時間の看護として適切なのはどれか
①衣類を着せて保温する
②面会時に母親に抱っこを促す
③心拍・呼吸を持続モニタリングする
④出生6時間後から経口栄養を開始する
③
76)精神障害者の施設症の予防策として、最も適切なのはどれか
①隔離室の使用を避ける
②病棟の規則を厳密に決める
③病棟行事はスタッフが企画する
④地域住民との交流の機会を増やす
④
77)Aさん(24歳、女性)は、2か月前に交通事故で受傷した。それ以来、事故の夢をみたり、事故の様子が突然よみがえるようになり、怖くて仕事が手につかないと訴えている。最も考えられる障害はどれか
①パニック障害
②急性ストレス障害
③外傷後ストレス障害〈PTSD〉
④境界性人格〈パーソナリティ〉障害
③
78)精神科病棟に入院しているAさんの服薬管理は、看護師が行っている。入院中の服薬を自己管理に移行できるかを判断する際に、看護師が情報収集する項目として優先度が高いのはどれか
①入院形態
②入院期間
③退院後の同居者の有無
④副作用の生活への影響
④
79)抗体を産生するのはどれか
①顆粒球
②T細胞
③NK細胞
④形質細胞
⑤マクロファージ
④
80)血栓が存在することによって脳塞栓症を引き起こす可能性があるのはどれか
①右心室
②左心房
③腎動脈
④上大静脈
⑤大腿静脈
②
看護師国家試験 第101回の午後81~90
81)呼吸性アシドーシスをきたすのはどれか
①飢餓
②過換気
③敗血症
④CO2ナルコーシス
⑤乳酸アシドーシス
④
82)慢性腎不全で正しいのはどれか
①高蛋白食が必要である
②高カルシウム血症となる
③最も多い原因は腎硬化症である
④糸球体濾過値〈GFR〉は正常である
⑤代謝性アシドーシスを起こしやすい
⑤
83)人工乳と比べた母乳栄養の利点で誤っているのはどれか
①消化吸収しやすい
②感染防御作用がある
③母子相互作用を高める
④ビタミンK含有量が多い
⑤アレルギーを生じる可能性が低い
④
84)妊娠中の食事について適切なのはどれか
①鉄の付加量は授乳期よりも少ない
②塩分摂取量は10g/日を目標とする
③葉酸は妊娠初期の摂取が重要である
④エネルギーは妊娠中期の付加量が最も多い
⑤カルシウムは20歳代女性の平均摂取量の約3倍の摂取が望ましい
③
85)閉じた質問〈cℓosedquestion〉はどれか
①「乳癌と告げられたとき、どのように思いましたか」
②「ご家族に高血圧症の方はいらっしゃいますか」
③「何時に食事を摂(と)りましたか」
④「どのようにつらいのですか」
⑤「退院後は何をしたいですか」
②③
86)在宅療養者に初回訪問を行う際の訪問看護師の対応で適切なのはどれか
①療養者と契約書を取り交わす
②緊急時の連絡方法を確認する
③初回訪問前の情報収集は行わない
④病院で指導された介護方法は変更しない
⑤初回訪問日は療養者に医療的な問題が起きてから決める
①②
87)終末期の癌患者の在宅ケアで正しいのはどれか
①家族の悲嘆のケアも含まれる
②訪問看護は介護保険の適用である
③夜間・休日を含めた連絡体制を整える
④ADLが自立している患者は対象とならない
⑤主治医は在宅療養支援診療所の医師に限られる
①③
88)入院中の患者がベッド上で心肺停止状態となっていた。発見した看護師が1人の場合、対応で適切なのはどれか
①家族に連絡する
②医師を呼びに行く
③AEDを取りに行く
④胸骨圧迫を開始する
⑤ナースコールでスタッフを呼ぶ
④⑤
89)思考の障害はどれか
①妄想
②幻聴
③昏迷
④連合弛緩
⑤抑うつ気分
①④
90)精神障害者保健福祉手帳について正しいのはどれか
①交付を受けた者の写真は添付しない
②交付を受けた者は、住民税の控除が受けられる
③精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で規定されている
④交付を受けた者の公共交通機関運賃の割引は、全国一律で適用される
⑤交付を受けた者は、精神障害の状態についての認定を毎年受ける必要がある
②③
看護師国家試験 第101回の午後91~99
91)次の文を読み91~93の問いに答えよ。Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断された。Aさんは、球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した訪問看護に依頼する内容で、優先度が高いのはどれか
①入浴の介助
②疾病受容の支援
③呼吸機能の評価
④上肢のリハビリテーション
②
92)退院後6か月が経過した。Aさんは、上肢の運動障害に加え、ろれつが回らない、言葉が出にくいといった球麻痺症状が出現してきた。歩行は自立している。Aさんは、介護保険の申請をし、要介護1に認定された。Aさんが、この時点で利用できる介護サービスで適切なのはどれか
①車椅子の貸与
②療養通所介護
③ホームヘルパー
④レスパイトケア
⑤意思伝達装置の給付
採点対象から除外する。設問が不適切で正解が得られないため。
93)球麻痺症状が進行したため、経腸経管栄養導入を目的に入院し、胃瘻を造設した。Aさんは、自分で胃瘻管理ができる間は、自宅で療養したいと強く希望した。Aさんも同席した上で、主治医、病棟看護師、理学療法士、退院調整看護師、介護支援専門員および訪問看護師がカンファレンスを行うことになった。病棟看護師がカンファレンスで提供する情報として最も重要なのはどれか
①入院中の治療の経過
②胃瘻管理の指導内容
③利用可能な在宅サービス
④リハビリテーションの状況
②
94)次の文を読み94~96の問いに答えよ。Aさん(52歳、男性)は、2か月で体重が7kg減少した。2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断され、手術目的で入院した。入院時の検査データは、Hb9.5g/dℓ、血清総蛋白5.4g/dℓ、アルブミン2.5g/dℓ、AST〈GOT〉24IU/ℓ、ALT〈GPT〉25IU/ℓ、γ-GTP38IU/ℓ、尿素窒素18mg/dℓ、クレアチニン0.7mg/dℓ、プロトロンビン時間82%(基準80~120)であった。Aさんの状況で術後合併症のリスクとなるのはどれか
①出血傾向
②腎機能障害
③低栄養状態
④肝機能障害
③
95)右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術とが行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日目の朝に気管チューブを抜管し、順調に経過していたが、術後3日目に左下葉の無気肺となった。Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが「痛み止めはなるべく使いたくない。我慢できるから大丈夫」と話す。無気肺を改善するために適切なのはどれか
①離床を促す
②胸式呼吸を勧める
③左側臥位を勧める
④鎮痛薬の使用を勧める
⑤胸腔ドレーンをクランプする
①④
96)その後、順調に回復し、術後3週目に退院する予定となった。退院後の食事の指導で適切なのはどれか
①「蛋白質を控えた食事にしてください」
②「食事は1日3回にしてください」
③「食事は時間をかけて食べてください」
④「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」
⑤「食後は横になって過ごしてください」
③
97)次の文を読み97~99の問いに答えよ。Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。Aさんはくも膜下出血と診断された。再出血を防ぐためのケアで適切なのはどれか
①深呼吸を促す
②起坐位とする
③病室を薄暗くする
④頭部を氷枕で冷やす
③
98)Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか
①浣腸を行う
②排痰法の練習を勧める
③テタニー徴候を観察する
④不整脈の出現に注意する
④
99)開頭術後24時間が経過した。JCSⅠ-2。体温37.5℃、脈拍88/分、血圧138/84mmHg、呼吸数18/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(酸素吸入3ℓ/分)。脳室ドレナージが行われている。Aさんへの看護で適切なのはどれか
①両腋窩を冷やす
②酸素吸入を中止する
③起き上がらないように説明する
④痛み刺激を与えて意識レベルを確認する
③
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