平成25年2月17日(日)に実施された第102回看護師国家試験
厚生労働省ホームページ(第99回保健師国家試験、第96回助産師国家試験及び第102回看護師国家試験の問題および正答について)を参考に編集・作成
看護師国家試験 第102回の午前61~70
61)ハヴィガースト,R.J.の老年期における発達課題として正しいのはどれか
①子どもを独立させる
②満足できる収入を得る
③配偶者の死に適応する
④異世代の人と親密な関係を結ぶ
③
62)加齢に伴う呼吸循環機能の変化について正しいのはどれか
①残気量は変化しない
②肺の弾性は低下する
③左心室壁は薄くなる
④安静時の心拍出量は増加する
②
63)96歳の女性要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を利用している。援助として適切なのはどれか
①入浴は特殊浴槽を使用する
②排泄時には援助者が下着を脱がせる
③椅子に座るときには安全ベルトを使用する
④運動を取り入れたレクリエーションへの参加を促す
④
64)高齢者に多い弛緩性便秘の原因で正しいのはどれか
①長期臥床
②便意の我慢
③腸管内の炎症
④下行結腸の蠕動亢進
①
65)介護保険施設においてノロウイルス感染症が発生した。感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか
①感染者の居室はアルコールで拭く
②感染者の吐物は乾燥してから処理する
③感染者が使用したリネンは60℃の加熱処理を行う
④感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
④
66)大骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術の術後1週以内における看護で適切なのはどれか
①手術当日に全身清拭は行わない
②術後初めての食事は全介助で行う
③患肢の他動運動は術後①日から行う
④臥床時は患肢を外転中間位に保持する
④
67)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)について正しいのはどれか
①20人の生活単位を基本とする
②看護職員の配置が義務づけられている
③介護保険制度における地域密着型サービスである
④連続して利用できる期間は原則3か月以内である
③
68)出生前診断のための羊水検査について適切なのはどれか
①検査がもたらす母児への影響を事前に説明する
②胎児に染色体異常が発見された場合は結果を知らせない
③夫婦の意見が対立した場合は夫の意見を優先する
④妊婦の母親から問い合わせがあった場合は検査結果を伝える
①
69)性感染症〈STD〉について正しいのはどれか
①経口避妊薬の内服が予防に有効である
②患者のパートナーは治療の対象ではない
③10代では性器ヘルペスの罹患が最も多い
④性器クラミジア感染症の罹患は不妊症の危険因子である
④
70)正常新生児に対して出生後2時間以内に実施するのはどれか
①聴力検査
②抗菌薬の点眼
③心拍モニタリング
④先天性代謝異常検査
②
看護師国家試験 第102回の午前71~80
71)Aさん(30歳、初産婦)は、妊娠39週2日で前期破水と診断され入院した。胎児は頭位で臍帯下垂はみられず、胎児心拍数は正常である。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか
①入浴を勧める
②歩行を禁止する
③3~4時間ごとに導尿をする
④3~4時間ごとに外陰部のパッドを交換する
④
72)A君(10歳、男児)は、既往歴はなく健康である。A君の弟のB君(5歳)は、白血病のため入院しており、治療の一環として骨髄移植を必要としている。A君がドナー候補に挙がっており、両親はA君をドナーとした骨髄移植を希望している。骨髄移植に関するA君への看護師の説明で適切なのはどれか
①骨髄採取後は腰の痛みを伴う
②A君は何も心配しなくてよい
③A君が頑張ればお母さんが喜ぶ
④B君の病気を治すためにはA君がドナーになるしかない
①
73)子どもの遊びについて正しいのはどれか
①象徴遊びは3~4歳で最も盛んになる
②感覚運動遊びは5歳ころまでみられる
③並行遊びは6歳以降に増える
④構成遊びは8歳ころに現れる
①
74)離乳食の進め方で正しいのはどれか
①開始前からスプーンに慣れさせる
②開始時は炭水化物より蛋白質の割合を多くする
③開始時から人工乳はフォローアップミルクにする
④開始から2か月ころは舌でつぶせる固さの食物にする
④
75)体幹部の写真を別に示す最も疑われるウイルス感染症はどれか

①伝染性軟属腫
②伝染性紅斑
③水痘
④風疹
③
76)細胞内におけるエネルギー産生や呼吸に関与する細胞内小器官はどれか
①ミトコンドリア
②リボソーム
③ゴルジ体
④小胞体
⑤核
①
77)ナトリウムイオンが再吸収される主な部位はどれか
①近位尿細管
②ヘンレのループ〈係蹄〉下行脚
③ヘンレのループ〈係蹄〉上行脚
④遠位尿細管
⑤集合管
①
78)人体の右側のみにあるのはどれか
①総頸動脈
②腕頭動脈
③腋窩動脈
④内頸動脈
⑤鎖骨下動脈
②
79)ペニシリン投与によって呼吸困難となった患者への第一選択薬はどれか
①ジギタリス
②テオフィリン
③アドレナリン
④抗ヒスタミン薬
⑤副腎皮質ステロイド
③
80)下肢の閉塞性動脈硬化症〈ASO〉の症状はどれか
①間欠性跛行
②線維束性収縮
③近位筋優位の萎縮
④足背動脈の拍動の亢進
⑤登攀性起立〈ガワーズ徴候〉
①
看護師国家試験 第102回の午前81~90
81)透析導入患者の原疾患として最も多いのはどれか
①慢性糸球体腎炎
②多発性嚢胞腎
③ループス腎炎
④糖尿病腎症
⑤腎硬化症
④
82)心音の聴取部位を図に示す。肺動脈弁領域の聴診部位はどれか。ただし、点線は心臓を示す

①1
②2
③3
④4
⑤5
②
83)収縮期血圧の上昇をきたす要因はどれか
①副交感神経の興奮
②循環血液量の減少
③末血管抵抗の増大
④血液の粘稠度の低下
⑤動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇
③
84)所見と病態の組合せで正しいのはどれか
①レイノー現象—四肢末端の虚血
②頸静脈の怒張—左心系の循環障害
③全身性浮腫—リンパ管の還流障害
④チアノーゼ—還元ヘモグロビンの減少
⑤上室性期外収縮—心室から発生する異所性興奮
①
85)生後4日の新生児の状態で正常を逸脱しているのはどれか
①臍帯が乾燥している
②体重減少が7%である
③黒緑色の便が排泄されている
④排気とともに少量の母乳を吐く
⑤皮膚が乾燥し一部がはがれている
③
86)疾病とその特徴的な所見の組合せで正しいのはどれか
①急性虫垂炎—血便
②ネフローゼ症候群—高血圧
③重症筋無力症—けいれん
④クループ症候群—吸気性喘鳴
⑤クッシング症候群—頸部リンパ節腫脹
④
87)アポクリン汗腺が多く分布する部位はどれか
①顔面
②腋窩
③手掌
④足底
⑤外陰部
②⑤
88)原発緑内障について正しいのはどれか
①眼球が突出する
②眼圧が上昇する
③瞳孔が縮小する
④視神経が萎縮する
⑤眼底に出血がみられる
②④
89)入所者または居住者が公的保険による訪問看護サービスを受けることができるのはどれか
①乳児院
②介護老人保健施設
③高齢者専用賃貸住宅
④介護療養型医療施設
⑤認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
③⑤
90)妊娠高血圧症候群について正しいのはどれか
①有酸素運動で軽快する
②高蛋白質食で軽快する
③肥満妊婦に生じやすい
④病型の①つとして子癇がある
⑤胎児の健康状態への影響はない
③④
看護師国家試験 第102回の午前91~99
91)次の文を読み91~93の問いに答えよ。Aさん(58歳、男性)、建築作業員趣味はジョギングで毎日5kmを走っている。55歳のときに肺気腫を指摘されている。1か月前から咳嗽が続いて止まらないため、自宅近くの病院を受診した。胸部エックス線撮影で異常陰影が認められ、精密検査の結果、右下葉に肺癌が見つかり、標準開胸右下葉切除術が予定された。20歳から喫煙歴があり、肺気腫を指摘されるまで1日40本程度吸っていた。手術は無事終了し、胸腔ドレーンが挿入されたが、水封ドレナージのみで持続吸引は行われていない。術直後、胸腔ドレーンの先端から呼気時にエアリークが認められた。ドレーン挿入部と接続部とを確認したが異常はなかった。医師は、「再手術は経過を見て判断する」と言っている。看護師の対応として適切なのはどれか
①水平仰臥位にする
②肩関節の運動を促す
③ドレーンをクランプする
④皮下気腫の出現に注意する
④
92)術後2日硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは咳嗽時や体動時に苦痛表情をしている。看護師の対応として適切なのはどれか
①体動を少なくするように指導する
②創部のガーゼの上から温罨法を行う
③鎮痛薬の追加使用について医師と検討する
④胸腔ドレーンの吸引圧について医師と検討する
③
93)エアリークは自然に消失し、経過は良好であるため退院予定となった。体動時の痛みは持続しているが、ADLに支障はない。Aさんへの退院時の生活指導として適切なのはどれか
①「傷の痛みはすぐによくなりますので心配ありません」
②「リハビリテーションはジョギングから始めましょう」
③「外出時はマスクを使用してください」
④「退院後2、3日から入院前と同じ仕事をしても大丈夫です」
③
94)次の文を読み94~96の問いに答えよ。Aさん(40歳、男性)入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は450mlで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8g/dl。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3l/分)。尿量50ml/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。術後1日のAさんのアセスメントで適切なのはどれか
①体温の上昇は感染による
②脈拍の増加は貧血による
③血圧の上昇は麻酔の影響による
④酸素飽和度の低下は創痛による
⑤尿量の減少は循環血液量の減少による
④⑤
95)術後1週から食事が開始されたが、毎食後に下腹部痛を伴う下痢があり、Aさんは「食事をするのが怖い」と訴えた。看護師が確認する必要があるのはどれか
①食後の体位
②①日の歩行量
③術前の食事の嗜好
④食事摂取の所要時間
④
96)下痢の回数は減り、摂食も良好で、術後3週で退院が決定した。Aさんへの退院指導で正しいのはどれか
①炭水化物を中心にした食事を勧める
②下痢は1か月程度でおさまると説明する
③食事は分割して少量ずつ摂取するよう勧める
④食後に冷汗が出たら水分を摂(と)るよう説明する
⑤ビタミンB12が吸収されにくくなると説明する
③⑤
97)次の文を読み97~99の問いに答えよ。Aさん(52歳、男性)、自営業既往歴に特記すべきことはない。屋根を補修するためにはしごを登っていたところ、足を滑らせて転落し、頭部を打撲した。救急車で病院に搬送され、頭部CTで、右前頭葉と側頭葉の脳挫傷と右側頭葉の脳内血腫を認めた。入院時、Aさんは痛み刺激に対しても開眼することはなく、払いのけるような動作をするのみで、左上下肢の動きが右上下肢に比べて弱かった。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉による評価はどれか
①Ⅱ-20
②Ⅱ-30
③Ⅲ-①00
④Ⅲ-200
⑤Ⅲ-300
③
98)緊急で開頭血腫除去術が行われ、硬膜外にドレーンが挿入された。術後はICUに入室した。ICU入室6時間後のAさんの状態は、血圧138/76mmHg、脈拍82/分、体温37.4℃呼びかけに対して容易に開眼し、簡単な指示に応じることができるようになった。しかし、その後2時間で意識レベルが術前のレベルまで進行性に低下した。血圧156/68mmHg、脈拍67/分、体温37.8℃、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(酸素吸入3l/分)。この状況から考えられるAさんの病態として適切なのはどれか
①術後感染
②脳血管攣縮
③低酸素血症
④術後頭蓋内出血
④
99)このときのAさんへの看護で適切なのはどれか
①後頭部を氷枕で冷やす
②上半身を30度程度挙上する
③左上下肢の関節屈曲運動を行う
④右上肢を抑制して硬膜外ドレーン抜去を予防する
②
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